
エアコンの室外機を、上階のベランダから吊り下げて設置しています。
このような室外機の設置方法を、公団吊り(こうだんづり)などと呼ぶことがあります。
公団吊りはベランダ床上に室外機を置かないため、ベランダの床面が広く使えます。
しかし、室外機が目立つ位置にきてしまうため、それをみっともないと捉えるかたもいます。
また、室外機の設置工事費のほうは、素直にベランダに置くよりも高くなります。
つまり、公団吊りには一長一短があるのですが、写真の場合はそれとは別の話になります。
写真の場合、エアコンの配管類が室外機の手前側より出て、室外機の周りに沿ってわざわざ目立つように配管されています。
ほんとうならば、エアコンの配管類は室外機の奥側から出て、そのまま外壁から室内に入っているところでで、そうしていれば、このように配管が目立つこともなかったはずです。
しかも、全住戸でこのような配管がなされていました。
これは、エアコンの配管類を室外機の奥側にもっていくと、室外機と外壁が近すぎて配管を取り回す余裕がなくなってしまうということ。
現状のように配管類を手前側から出すと、配管距離が伸びるため配管を取り回す余裕ができるからです。
空調屋さんとしても、わざわざ手間をかけてまで、見っともない配管をしたいはずはありません。
このようにしないと配管ができないから、配管したまででしょう。
このような事態に陥らないためには、設計段階で公団吊りの位置と、配管を通すために外壁に開ける穴の位置を、充分検討しておくことです。