
先日発生した消火器の破裂事故の件です。
このような事故ははじめてではなく、過去に何度か発生しています。
今回の事故に関してはまだ調査結果は発表されていませんが、過去の例からある程度の原因は推測することができます。
破裂事故を起こした消火器は加圧式粉末消火器というもので、加圧源として消火器内部に炭酸ガスボンベが入っています。
炭酸ガスボンベは安全装置が解除されて噴出レバーが操作されると、炭酸ガスを一気に消火器内部に開放することになります。
つまり、それまで常圧であった消火器内部に一気に炭酸ガスが噴出されて、消火器内部の圧力が急激に高まることになります。
その際、消火器の底部が錆びて弱くなっていると、底部だけを残して消火器が発射されてしまうことになります。
その発射された消火器が、人間の顔などに当たってしまったのが、今回のような消火器破裂事故ということです。
もちろん、底の部分だけでなく、他の部分に発生した錆でも破裂事故は発生するわけで、錆の危険性は底の部分に限ったものではありません。
ただ、地面などに直置きされている消火器の底の部分に、錆が発生しやすいことはたしかなことです。
そのため、床置きタイプの消火器では、消火器が直に床に接しないような工夫がされているはずです。
ここで写真です。
写真の消火器では、地面の上に白っぽいプレートが敷き込まれ、さらに消火器の下には黒っぽいトレイ(受け皿)が設けられています。
つまり、消火器を床に置く場合にはこれぐらいの対策が必要ということで、くれぐれも消火器を直置きしないようにしてください。